家を売るときに知っておきたいこと。
2026年04月03日
「そろそろ売ろうかと思っているけど、何から始めればいいかわからない」——そんなお声をよくいただきます。不動産の売却は人生で何度もある経験ではないため、流れが見えないまま進めてしまうと、思わぬ時間のロスや損失につながることもあります。このブログでは、査定の依頼から引き渡しまでの全ステップに加え、令和7年の法改正による最新の注意点もあわせてお伝えします。
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■ 売却の全体像:平均3〜6ヶ月のプロセス
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不動産の売却は、査定から引き渡しまでおおむね3〜6ヶ月かかります。ただし権利関係の整理が必要な物件や、買い手がなかなか見つからないケースでは、それ以上かかることもあります。まずは全体の流れを把握しておきましょう。
◇ 全体の目安期間 :3〜6ヶ月
◇ 主なステップ数 :7ステップ
◇ 仲介手数料の上限 :売買価格の3%+6万円(税別)
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■ 7つのステップ、詳しく解説
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▶ ステップ1 査定依頼・査定額の確認 [目安:1〜2週間]
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まず不動産会社に査定を依頼します。査定には「机上査定」(資料だけで概算を出す方法)と「訪問査定」(現地を見て詳細に算出する方法)があります。売却を本格的に検討されているなら、必ず訪問査定を受けることをお勧めします。査定額はあくまで「この価格なら売れる見込みがある」という目安であり、確定価格ではありません。
【ポイント】
査定は複数社に依頼することで相場感がつかめます。ただし査定額の高さだけで業者を選ぶのは危険です。そのエリアの取引実績が豊富で、他業者とも協力関係がある地域密着型の業者を選ぶことをお勧めします。詳しくはステップ2をご参照ください。
▶ ステップ2 媒介契約の締結 [目安:1週間程度]
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売却を依頼する不動産会社と「媒介契約」を結びます。媒介契約には3種類あります。「専属専任媒介」は1社のみに依頼し自分では買い手を探せない形式、「専任媒介」は1社のみに依頼するが自分でも買い手を探せる形式、「一般媒介」は複数社に依頼できる形式です。
【注意:業者選びについて】
「複数社に頼んだ方が広く宣伝できる」と思われがちですが、購入希望者が複数の業者から同じ物件を紹介され、困惑するケースがあります。また募集状況の把握が難しくなることも。地域の事情に精通し、他業者とも連携して動ける1社に絞ることで、売却活動を一元管理できます。
【信頼できる業者の見極め方】
①そのエリアでの取引実績があるか
②他業者との協力関係があるか
③物件周辺の相場を根拠をもって説明できるか
この3点を確認してください。地域に根ざした業者は、地元ネットワークから買い手候補を紹介できる強みもあります。
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★ 令和7年1月 仲介手数料(媒介報酬)の改正について
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令和7年1月から、800万円以下の売買における媒介報酬のルールが改正されました。
売買価格800万円以下の場合
改正前:売買価格の3%+6万円+消費税
改正後:33万円(税込)を上限に引き上げ
売買価格800万円超の場合
変更なし(3%+6万円+消費税)
この改正は、空き家・低価格帯の物件売却を活性化することを目的としています。売主・買主双方の同意が前提となります。詳しくは担当業者にご確認ください。
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▶ ステップ3 売り出し価格の設定・広告活動開始 [目安:契約後すぐ]
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媒介契約を結んだら、売り出し価格を決定し、広告活動が始まります。不動産ポータルサイトへの掲載、チラシ配布、他の不動産会社への情報共有(レインズへの登録)などが行われます。
【注意】
売り出し当初の価格設定が非常に重要です。最初に高く出して後から値下げを繰り返すと、「何か問題のある物件では」という印象を与えてしまい、かえって売りにくくなることがあります。
▶ ステップ4 内覧対応 [目安:随時(数週間〜数ヶ月)]
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購入希望者が現れると内覧(物件の見学)が行われます。内覧時の第一印象は成約に大きく影響します。室内の清掃・整理整頓はもちろん、においや採光にも気を配りましょう。物件の欠点を隠して売却した場合、後に「契約不適合責任」として問題になることがあります。
【ポイント】
内覧前に「気になる点・知っておいてほしいこと」を担当者と共有しておきましょう。事前に把握して買い手に正確に伝えることが、トラブルの防止につながります。
▶ ステップ5 売買契約の締結 [目安:1〜2日]
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購入希望者との交渉が整ったら、売買契約を締結します。契約時には「重要事項説明書」の読み合わせが行われます。物件の状況・法的な制限・設備の状態などが詳細に記載されています。必ず内容をよく確認してから署名・捺印してください。また、この時点で売主は「手付金」を受け取ります。
【注意】
売買契約後に売主の都合でキャンセルする場合、受け取った手付金の2倍を買主に返還する必要があります。契約前に「本当に売る意思があるか」をしっかり確認しましょう。
▶ ステップ6 決済・所有権移転登記 [目安:1〜2ヶ月後]
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売買契約から通常1〜2ヶ月後に「決済」が行われます。残金の受け取り、住宅ローンが残っている場合はその返済、所有権移転登記の手続きが同日に行われます。司法書士が立ち会いのもと進められるため、事前に必要書類(権利証または登記識別情報、印鑑証明書など)を準備しておきましょう。
【ポイント】
住宅ローンが残っている場合、残債が売却代金を上回る「オーバーローン」になると自己資金での補填が必要になります。事前に残債と査定額を照らし合わせておきましょう。
▶ ステップ7 引き渡し・確定申告 [目安:決済当日〜翌年3月]
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決済と同日、物件の鍵を買主に引き渡して売却は完了です。売却で利益(譲渡所得)が発生した場合は、翌年の確定申告が必要になります。居住用財産の売却には「3,000万円特別控除」などの税制優遇措置がありますので、税理士や担当者に確認することをお勧めします。
【ポイント】
売却損が出た場合でも、一定の条件を満たせば給与所得などと損益通算できる特例があります。どちらのケースも、確定申告を忘れずに行ってください。
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■ 売却前に準備しておきたいこと
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査定を依頼する前に、手元に揃えておくと話がスムーズになる書類があります。権利証(または登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、間取り図(あれば)、リフォーム履歴などです。また「いくらで売れるか」と同時に「いつまでに売りたいか」を明確にしておくことも大切です。
◆◆◆ 売主の責任として知っておきたい:境界立会・測量について ◆◆◆
・公簿面積での売買より、実測売買が原則です。
登記簿上の面積(公簿)と実際の面積が異なることは珍しくありません。費用がかかっても、売却前に隣地所有者との境界立会・測量を済ませておくことが、売主としての誠実な対応です。
・境界が不明確なままでは買い手が安心できません。
購入後に境界トラブルが発生した場合、売主の責任が問われることがあります。測量・境界確定にかかる費用は売却をスムーズに進めるための必要な投資と捉えてください。特に旧城下エリアでは、隣地との境界が曖昧なまま放置されているケースが多く、早めの対応が重要です。
・土地家屋調査士への依頼を、早い段階で担当業者に相談してください。
境界確定には隣接地所有者全員の立会が必要で、時間がかかることがあります。売却を思い立ったら、まず境界の状況確認から始めることをお勧めします。
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!重要! 令和7年の法改正——古い住宅の売却に直接影響します
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令和7年4月1日に建築基準法が改正されました。この改正により、特に古い住宅の売却において注意が必要な状況が生まれています。
【擁壁のある物件】
改正により擁壁の安全性に関する基準が厳格化されました。古い擁壁(特に昭和時代に施工されたもの)については、建て替えや大規模改修の際に擁壁の改修・やり直しが求められるケースが増えています。改修費用が多額になる可能性があり、購入を敬遠される要因になりかねません。売却前に現状を把握しておくことが重要です。
【完了検査を受けていない物件】
建築確認を取得したが完了検査を受けていない、いわゆる「検査済証のない物件」は、改修工事の際に現行法への適合が求められます。適合させるための費用が多額になるケースがあり、買い手にとってリスクと映ります。こうした物件の売却は今後さらに難しくなることが予想されます。
【売主として今できること】
対象となる可能性のある物件をお持ちの場合、まず現状の確認(検査済証の有無・擁壁の状況)を行い、担当業者と対応策を相談することをお勧めします。「売りにくくなる前に動く」ことが、適正価格での売却につながります。
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「まず話を聞いてみたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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弊社では査定はもちろん、境界確認・書類整理のご相談、令和7年改正への対応も含めてサポートいたします。「売るかどうかまだ決めていない」という方も、まず現状の把握からご一緒しましょう。上田市・旧城下エリアを中心に、地元に根ざした丁寧な対応でお手伝いします。
※下記画像はイメージです。