上田市で土地を買う時に知っておきたいこと
2026年05月08日
「土地を買って家を建てたい」——そう考えたとき、物件の広さや価格ばかりに目が向きがちです。しかし土地購入には、見た目ではわからない法的な制限や権利関係の確認が欠かせません。このブログでは、地元業者として日々の実務で直面する「土地購入前に必ず確認すべきこと」を率直にお伝えします。
1. 道路の確認——「接道」は建築の大前提
建物を建てるには、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接している土地であることが必要です(建築基準法第43条)。この条件を満たさない土地には、原則として建物を建てることができません。
2項道路(みなし道路)のセットバック
道路の幅員が4m未満でも、建築基準法42条2項の規定により「みなし道路」として扱われる道路があります。この場合、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退(セットバック)させることが建築の条件となります。セットバック部分は建築面積に算入できず、有効面積が減少します。
上田市での状況:旧城下エリアを中心に、旧市街地の路地・裏通りには2項道路が多く存在します。物件を見て「土地が広い」と思っても、セットバック後の有効面積が想定より小さくなるケースがあります。必ず現況を確認してください。
接道義務と再建築不可物件
道路に全く接していない土地、または接道長さが2m未満の土地は「再建築不可」となり、現状の建物の維持は可能ですが建て替えができません。購入価格が安くても将来の活用に大きな制限がかかります。
注意:再建築不可物件は住宅ローンの担保評価が低く、金融機関によっては融資を断られるケースがあります。価格が安いからといって安易に購入しないようにしてください。
私道・水路・廃水路に注意
接している道路が「公道」か「私道」かの確認も重要です。私道の場合、通行権や掘削権の有無・維持管理の負担などを確認する必要があります。また上田市内には、かつての水路が廃水路として残っているケースがあります。上田市内全般で見られる事例ですので、エリアを問わず重要事項説明書の「他の法令」欄の記載を必ず確認してください。
2. 境界の確認——「どこまでが自分の土地か」を必ず確認する
土地の購入で後々トラブルになりやすいのが境界問題です。特に上田市の旧市街地では、昔から境界が曖昧なまま放置されている土地が多く存在します。
境界確認書・地積測量図の有無を確認する
隣地との境界が確定しているかどうかは、「境界確認書」または「地積測量図」の有無で確認できます。これらがない場合、土地家屋調査士による境界確定測量が必要になります。費用は土地の規模にもよりますが数十万円かかることがあります。
売主・買主の費用負担について:弊社では売主に対して、費用をかけてでも境界確定・実測売買を行うことをお勧めしています。ただし場合によっては買主負担となるケースもあります。公簿売買(登記簿上の面積で売買)の場合、実際の面積との差異が後で問題になるケースがあります。
旧城下エリアは特に注意が必要
旧城下エリアでは、江戸時代からの地割りがそのまま残っており、境界が不明確な土地が多く存在します。隣地所有者が長期不在・相続未了などの場合、境界確定に時間がかかることがあります。
注意:境界未確定のまま購入した場合、建築確認申請の際に問題が発生することがあります。必ず購入前に境界の状況を確認してください。
3. 法規制の確認——用途地域・建蔽率・容積率
土地には用途地域をはじめとする様々な法規制がかかっており、「どんな建物が建てられるか」「どのくらいの大きさの建物が建てられるか」が決まっています。希望する家が建てられるかどうかを事前に確認してください。
用途地域・建蔽率・容積率を確認する
用途地域によって建てられる建物の種類が異なります。「第一種低層住居専用地域」では高さ制限が厳しく、「商業地域」では高い建物が建てられます。建蔽率・容積率によって建物の規模が決まります。
上田市での状況:旧城下エリアは商業地域・近隣商業地域が多く、比較的自由度が高い反面、隣接する住居系地域との境界付近では規制の確認が必要です。なお郊外エリアは用途地域の指定がないエリアがほとんどですので、この点も購入前に確認しておくことをお勧めします。
擁壁・高低差のある土地は令和7年4月改正に注意
令和7年4月の建築基準法改正により、擁壁の安全基準が厳格化されました。高低差のある土地や古い擁壁が残る土地では、建築確認申請の際に擁壁の安全性確認・改修が求められるケースが増えています。改修費用が多額になることがあります。
令和7年4月改正の影響:旧城下エリアや丘陵地に近い土地では擁壁を伴う物件が多くあります。購入前に担当業者に擁壁の状況と改正の影響について必ず相談してください。
ハザードマップ・特定都市河川の確認
洪水・土砂災害・地震などのリスクは上田市のハザードマップで確認できます。また矢出沢川・黄金川は令和6年に特定都市河川に指定されており、周辺エリアでは1,000㎡超の開発行為に雨水管理措置が必要です。購入前に上田市公式ハザードマップで物件の所在地のリスクを必ずご確認ください。
上田市での状況:旧城下エリアは矢出沢川の流域に近く、洪水浸水想定区域に該当する物件が存在します。重要事項説明書での確認とあわせ、ハザードマップで実際の浸水リスクを事前に調べることをお勧めします。
4. 旧城下エリアで特に多い問題
上田市の旧城下エリアには、権利関係や建物の状態に関して特に注意が必要な物件が集中しています。
・旧法借地権が設定されている土地。
昭和初期以前に設定された旧借地法による借地権が残っている物件があります。土地の所有者と建物の所有者が異なり、売買・建て替えの際に権利関係の整理が必要です。地元業者でないと対応が難しいケースが多くあります。
・道路幅員と払い下げ未処理の問題。
旧城下の路地には4m未満の道路が多く、セットバックが必要なケースが多数あります。また市有地・水路敷の払い下げが未処理のまま建物が建っているケースもあり、売買前の整理が必要です。
・検査済証のない建物が多い。
昭和から平成一桁台に建築された建物の中には、完了検査を受けていない「検査済証なし」の物件が多くあります。令和7年4月の建築基準法改正により、増改築の際に現行法への適合が求められ、費用が多額になるケースがあります。
・筆界未確定の土地が多い。
登記上の境界(筆界)が確定していない土地が多く存在します。売買前に土地家屋調査士による筆界確認が必要なケースがあり、隣地所有者の協力が得られない場合は手続きに時間がかかることがあります。
購入前の確認チェックリスト
・接道状況(幅員4m以上の道路に2m以上接しているか)
・2項道路の有無(セットバックが必要か)
・私道・水路・廃水路の有無
・境界確認書・地積測量図の有無
・用途地域・建蔽率・容積率(郊外は無指定の可能性あり)
・擁壁の状況(令和7年4月改正の影響)
・検査済証の有無
・旧法借地権の有無
・ハザードマップ(洪水・土砂・地震)
・特定都市河川(矢出沢川・黄金川)の流域かどうか
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「この土地、本当に大丈夫?」——ご相談ください。
上田市内の土地は、一見問題がないように見えても法的な制限や権利関係が複雑なケースが多くあります。弊社では重要事項説明・法令制限の調査から境界確認・専門家のご紹介まで、購入前のサポートを行っています。「気になる土地がある」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
