上田市で中古住宅購入時知っておきたいこと

2026年05月15日

 

「中古住宅は価格が安い分、リスクも多いのでは?」——そう不安に感じる方は少なくありません。しかし正しい知識と事前確認を徹底すれば、中古住宅は実際の建物を見て・触って・確かめて買うことができる選択肢です。このブログでは、地元業者として日々の実務で直面する「中古住宅購入前に必ず知っておべきこと」を、良い面も厳しい面も正直にお伝えします。


 

--- まず大前提として ---

 

中古住宅は、新築とは根本的に異なります。誰かが実際に生活してきた建物であり、築年数相応の経年劣化があることは避けられません。「古いから問題がある」ということではありませんが、「新築と同じ状態」を期待するのは難しい。これが中古住宅購入の大前提です。

 

また、中古住宅を購入する際はある程度のリフォーム費用が掛かることを、最初から頭に入れておくことが大切です。どの程度手を入れるかによって幅はありますが、家全体をフルリフォームするとなると費用は1,000万円を超えることも珍しくありません。「物件価格+リフォーム費用」のトータルで判断することが、中古住宅購入の鉄則です。


 

 1. 築年数と耐震基準——「いつ建てられたか」が最初の判断基準

 

中古住宅を検討する際、最初に確認すべきは「いつ建てられたか(築年数)」です。これは単に建物の古さを示すものではなく、適用される耐震基準を左右する重要な指標です。


 

旧耐震基準と新耐震基準

 

昭和56年(1981年)6月以前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」で建てられており、現在の耐震基準を満たしていない可能性があります。昭和56年6月以降は「新耐震基準」、平成12年(2000年)以降の木造住宅には「2000年基準」が適用され、より強固な耐震性能が求められています。

 

 上田市での状況:旧城下エリアを中心とした旧市街地には昭和30〜50年代の木造住宅が多く流通しています。旧耐震基準の建物でも耐震診断・補強工事によって住宅ローン控除の対象となる場合があります。

 

旧城下エリアに多い鉄骨3階建て住宅

 

旧城下(街中)エリアには、昭和40〜60年代に建てられた鉄骨造の3階建て住宅が多く存在します。当時の建築基準で建てられた建物が多く、現行法との関係(既存不適格)や、鉄骨部分の錆・劣化状況の確認が必要です。また3階建て住宅は階段の上り下りが日常になるため、高齢になってからの生活のしやすさも考慮しておくとよいと思います。

 

検査済証の有無を確認する

 

建物が完成した際に行われる「完了検査」を受けていると「検査済証」が交付されます。この書類がない建物は、増改築の際に現行法への適合確認が求められ、費用が増大するケースがあります。令和7年(2025年)4月の建築基準法改正により、この傾向はさらに強まっています。


 

 2. 令和7年4月 建築基準法改正——擁壁に関する注意

 

令和7年4月の建築基準法改正により、擁壁(コンクリート等で土を押さえている構造物)の安全基準が厳格化されました。高低差のある土地や古い擁壁が残る中古住宅では、建て替え・増改築の際に擁壁の安全性確認・改修が求められるケースが増えています。

 

 上田市での状況:上田市上野・上田市上田・上田市住吉など斜面のあるエリアでは擁壁を伴う物件が少なくありません。購入前に担当業者に擁壁の状況と改正の影響について必ず確認してください。擁壁の改修費用は状況によっては多額になることがあります。


 

 3. 雨漏り・シロアリ・基礎——「見えないリスク」の確認方法

 

中古住宅で特に注意が必要なのが、表面からは見えない劣化や被害です。


 

雨漏りの確認

 

雨漏りは外壁・屋根ের劣化、サッシ廻りのシール切れなどが原因で発生します。天井のシミ・変色、壁のクロスの浮き・黒ずみ、押し入れ・クローゼット内の結露跡などが雨漏りのサインです。内覧時に必ず天井・壁の状態を確認し、気になる点は遠慮なく指摘してください。

 

ただし、雨漏りはシミや跡が残っていても発生箇所の特定が難しいという特徴があります。例えば屋根から入った雨水が構造材を伝って、全く別の場所から染み出すことも珍しくありません。「ここから漏れている」と思っても、実際の原因がどこにあるかを突き止めるには専門業者による調査が必要です。また、雨の降り方・風向き・季節によって症状が出たり出なかったりするため、場所の特定までに時間がかかるケースもあります。内覧時に気になる跡があれば、そのまま見過ごさず必ず確認するようにしてください。

 

 上田市での状況:昭和築の瓦屋根の住宅では、瓦のズレや漆喰の劣化から雨漏りが発生しているケースが多くあります。屋根の状態は外からでは確認しにくいため、専門家による確認をお勧めします。

 

シロアリ被害の確認

 

シロアリ被害は木造住宅の基礎・土台・柱に深刻なダメージを与えます。床下の木材が食害を受けると、補修費用は数十万円〜数百万円に及ぶことがあります。売主に「シロアリ防除の記録」があるか確認し、なければ床下点検を求めることが重要です。

 

基礎の状態

 

基礎のひび割れ(クラック)は建物の傾き・沈下のサインである場合があります。基礎に幅0.3mm以上のひび割れがある場合は要注意です。外周をぐるりと確認し、気になるひび割れがあれば専門家に相談してください。


 

 4. インスペクション(住宅診断)について——正直にお伝えします

 

インスペクションとは、建物の現状を専門家が診断するサービスです。費用は一般的な戸建住宅で5〜10万円程度です。

 

ただし、インスペクションについて正直にお伝えしたいことがあります。

 

インスペクションはあくまで「その時点での現状報告」です。「問題なし」と診断された箇所から後日不具合が発生した場合でも、インスペクション業者が保証してくれるわけではありません。報告書は「現状把握の根拠」であり、「保証書」ではない点をご理解の上でご活用ください。

 

とはいえ、現状を正確に把握することは価格交渉や補修依頼の根拠になりますし、「何も知らずに買う」よりも判断材料が増えることは確かです。特に高額な物件では費用対効果がある手段だと考えています。


 

 5. 設備の状態——給排水・電気・水回りの確認

 

建物の構造だけでなく、生活に直結する設備の状態も必ず確認してください。

 

中古住宅は基本的に、新築当時の給水管・排水管・電気配線がそのまま使われているケースがほとんどです。途中でリフォームされていれば別ですが、何十年も前の管や配線が現役で使われていることも珍しくありません。これらは壁や床の中に隠れているため、外見からは状態が分かりにくく、問題が起きて初めて気づくことも多いのが現実です。


 

給排水設備と水道管の問題

 

上田市の旧城下エリアでは、水道の本管自体が古い地区があります。水の出始めに錆が混じることがある場所も実際に存在します。ただし、これは内覧時に水を流しただけでは分からないことがほとんどです。しばらく使用していた空き家であれば特に、実際の生活の中で初めて気づくケースもあります。気になる場合は売主や近隣住民に使用感を確認することをお勧めします。

 

建物内部の給水管・排水管は、基本的に新築当時のままです。昭和30〜50年代の鉄管・鉛管がそのまま使われているケースも珍しくありません。腐食が進むと水質悪化や漏水の原因となり、交換費用は大規模になると数十万〜百万円台になることがあります。

 

 弊社での実例:購入後に給排水の劣化が発覚し、全管路の交換が必要になったケースがあります。特に空き家期間が長かった物件は、凍結・劣化のリスクが高まります。

 

電気設備・分電盤

 

電気配線も基本的に新築当時のままです。現代の家電製品は消費電力が高いため、ブレーカーが頻繁に落ちることがあります。

 

電気容量を増やす場合、分電盤の交換だけで済むケースもありますが、状況によっては電柱からの引込線からやり直す工事が必要になることがあります。その場合は費用・工期ともに大きくなりますので、購入前に現在の引込線の状態と容量について電力会社や電気工事業者に確認しておくことをお勧めします。

 

エアコン・給湯設備について

 

機械ものは正直「当たりはずれ」があります。これは経験上、率直にそう感じています。

 

エコキュートは10年前後からエラーメッセージが出始めるケースがあります。交換費用は機種にもよりますが50万円以上が目安です。ガス給湯器はエコキュートより安価に交換できるケースが多く、持ちが良い印象があります。ただしどちらも「当たり個体」と「はずれ個体」があるのが実態で、築年数を確認した上で、交換が必要になる可能性を見込んでおくことをお勧めします。エアコンについても同様です。


 

 6. 旧城下エリア特有 of 生活環境——購入前に現地で必ず確認を

 

旧城下(街中)エリアの中古住宅には、価格・立地の魅力がある一方で、特有の生活環境の制約があります。購入前に現地で体感することを強くお勧めします。

 

敷地が狭く、駐車場がない物件が多い

 

旧城下エリアは江戸時代の地割りが残っており、敷地が狭い物件が多いのが特徴です。中には駐車場のない物件もあります。車が必須の生活を想定している方は、近隣の月極駐車場の空き状況・費用を事前に確認してください。

 

建物が隣とくっついていたり、隣との距離がほとんどない

 

旧城下エリアでは、隣の建物とほぼ接している物件や、境界ぎりぎりに建っている物件が少なくありません。火災時の延焼リスク、外壁補修時の作業スペースの問題、そして日当たりへの影響があります。

 

日当たりを優先される方は郊外を選んだ方が良い

 

これは正直な意見として申し上げます。旧城下エリアは建物が密集しており、南側に隣接建物がある場合は日照が限られます。日当たりを重視される方、庭でガーデニングを楽しみたい方には、古里・住吉・上田(上田市上田地区)・蒼久保・芳田といった郊外エリアの方が向いています。立地の魅力と日当たりのバランスを、現地で実際に確認することが大切です。


 

購入前の確認チェックリスト

 

築年数と耐震基準(旧耐震・新耐震・2000年基準)

検査済証の有無

擁壁の有無と状態(令和7年4月改正の影響)

雨漏りの跡(天井・壁のシミ・クロスの浮き)※発生箇所の特定は専門家へ

シロアリ被害・防除記録の有無

基礎のひび割れ

水道管の状態(売主・近隣への聞き取り)

給排水管の年式・素材(鉄管・鉛管の有無)

電気の引込線・分電盤の年式・アンペア数

給湯器・エコキュートの年式

エアコンの年式・台数

駐車場の有無(なければ近隣月極の状況)

隣接建物との距離・日当たりの現状確認(現地で必ず確認)

リフォーム費用の総額見込み(フルリフォームは1,000万円超も)


 

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「この中古住宅、買っても大丈夫?」——ご相談ください。

 

上田市内の中古住宅は、価格の手頃さと立地の魅力がある反面、確認すべき事項が多くあります。弊社では物件の状態確認・重要事項説明・リフォーム会社のご紹介まで、購入前のサポートを行っています。「気になる物件がある」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。

中古住宅の検討