不動産を売るときにかかる費用と税金
2026年05月22日
「不動産を売ったお金が全部手元に入る」と思っていたら、意外と手取りが少なかった——そういうご相談を受けることがあります。不動産の売却には、売却代金とは別にさまざまな費用がかかります。また、売却益が出た場合には税金が発生することもあります。このブログでは、売却前に知っておきたい「費用と税金の基本」をバランスよくお伝えします。
--- 売却にかかる費用と税金、大きく2つに分けて考える ---
不動産を売るときのお金の話は、大きく「費用(必ずかかるもの)」と「税金(条件によってかかるもの)」の2つに分けて考えると整理しやすいです。まずはそれぞれの概要を押さえておきましょう。
1. 必ずかかる費用——仲介手数料・諸費用
媒介手数料(仲介手数料)
不動産会社に売却を依頼した場合、成約時に媒介手数料(仲介手数料)が発生します。金額は売却価格に応じて法律で上限が定められています。
2025年1月の法改正により、売却価格800万円以下の物件については、売主・買主それぞれから最大33万円(税込)を受け取ることができるよう改正されました。空き家や低価格帯の物件の流通促進を目的とした改正です。
売却価格が800万円を超える場合は、従来通り以下の計算式が上限の目安となります。
・売却価格×3%+6万円(税別)
例えば売却価格2,000万円の場合、媒介手数料の上限は2,000万円×3%+6万円=66万円(税別)となります。
注意:媒介手数料は「成功報酬」です。売れなかった場合は原則として発生しません。
印紙税
売買契約書に貼付する収入印紙代です。売却価格によって金額が異なりますが、1,000万円〜5,000万円の物件では1万円、5,000万円〜1億円では3万円が目安です(軽減税率適用の場合)。
抵当権抹消費用
住宅ローンが残っている場合、売却時に抵当権を抹消する登記手続きが必要です。司法書士への報酬を含め、1筆あたり1〜2万円程度が目安ですが、筆数によって費用が変わります。
その他の費用
・引越し費用(居住用不動産の場合)
・建物の解体費用(更地渡しの場合):坪5万円〜が目安ですが、建物の大きさや構造によって異なります
・ハウスクリーニング費用:10万〜20万円程度(汚れの状況によって異なります・任意)
・測量費用(境界が不明確な場合):30万円〜が目安ですが、土地の大きさや形状によって異なります
2. 条件によってかかる税金——譲渡所得税
不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、所得税・住民税が課税されます。これを「譲渡所得税」と呼びます。
譲渡所得とは何か
譲渡所得は「売った金額」から「買ったときの金額(取得費)」と「売るためにかかった費用(譲渡費用)」を差し引いた金額です。
譲渡所得=売却価格 −(取得費+譲渡費用)
取得費とは、購入時の価格に加え、購入時の仲介手数料・登記費用なども含まれます。購入時の書類(売買契約書・領収書等)が残っていると取得費の証明に役立ちます。
注意:購入時の書類が見当たらない場合は「みなし取得費」として売却価格の5%を取得費とすることができますが、この場合は取得費が非常に少なくなるため、譲渡所得が大きくなりがちです。古い書類は大切に保管しておくことをお勧めします。
税率の目安
譲渡所得に対する税率は、所有期間によって異なります。
・所有期間5年以下(短期譲渡所得):約39%
・所有期間5年超(長期譲渡所得):約20%
所有期間が長いほど税率が低くなります。「いつ売るか」のタイミングも税負担に影響します。
主な特例・控除(概要)
一定の条件を満たす場合、税負担を大きく軽減できる特例があります。代表的なものをご紹介します。
【3,000万円特別控除】
マイホーム(居住用財産)を売った場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。多くのケースでこの特例を適用することで、税金がゼロまたは大幅に軽減されます。
【10年超所有の軽減税率の特例】
マイホームを10年を超えて所有していた場合に適用できる特例です。通常の長期譲渡所得の税率は約20%ですが、この特例を使うと譲渡所得6,000万円以下の部分については所得税率が10%(住民税・復興特別所得税を合わせると約14%)まで軽減されます。3,000万円特別控除と併用することもできるため、長くお住まいだったマイホームを売る方には特に有利な特例です。(参照:国税庁タックスアンサー No.3305「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」)
【相続した不動産の取得費加算の特例】
相続で取得した不動産を一定期間内に売却した場合、相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。
弊社からのお願い:これらの特例は適用条件が細かく、申告手続きが必要です。「自分の場合はどの特例が使えるか」「実際にいくら税金がかかるか」については、税理士や税務署にご相談いただくことを強くお勧めします。弊社でも概算のご説明はできますが、正確な税務判断は専門家にお任せください。
3. 売却の手取り額をイメージしてみる
費用と税金を差し引いた「実際の手取り額」を事前にイメージしておくことが大切です。
簡単な例(参考)
・売却価格:2,000万円
・仲介手数料:約72万円(税込)
・印紙税:約1万円
・抵当権抹消費用:約2万円
・譲渡所得税:取得費・特例の適用状況によって大きく異なる
このように、費用だけでも売却価格の数%が差し引かれます。さらに譲渡所得税が発生する場合は手取りがさらに変わります。「査定価格=手取り額」ではないことを念頭に置いておくことが重要です。
上田市での状況:上田市内の売却案件では、相続で取得した実家・空き家の売却相談が増えています。相続物件は取得費の証明が難しいケースや、相続税の特例が使えるケースもあります。「売ろうと思っているが、税金がいくらかかるか不安」という段階でもお気軽にご相談ください。
売却にかかる費用・税金チェックリスト
【費用】
・仲介手数料(売却価格×3%+6万円が上限目安・税別)
・印紙税(1〜3万円程度)
・抵当権抹消費用(ローン残債がある場合・1〜3万円程度)
・引越し費用(居住用の場合)
・解体費用(更地渡しの場合・坪5万円〜、建物の大きさ・構造によって異なる)
・測量費用(境界不明確の場合・30万円〜、土地の大きさ・形状によって異なる)
【税金の確認事項】
・購入時の売買契約書・領収書は保管されているか
・所有期間は5年を超えているか
・マイホームの売却か(3,000万円特別控除の適用可否)
・相続で取得した物件か(取得費加算の特例の適用可否)
・税理士・税務署への相談は済んでいるか
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「売ったらいくら手元に残る?」——まずはご相談ください。
査定価格だけでなく、費用・税金を含めた「手取り額の概算」まで含めてご説明しています。「売るかどうかまだ決めていない」という段階でも構いません。どうぞお気軽にお問い合わせください。
