災害に強い暮らし方

2026年07月24日

災害に強い暮らし方「2拠点生活(二地域居住)」という選択


首都直下地震や南海トラフ巨大地震、そして激甚化する豪雨災害。こうしたリスクが高まるなかで、「生活の拠点を1か所に集中させない」という考え方、2拠点生活(二地域居住/デュアルライフ)が注目されています。

単なる新しいライフスタイルにとどまらず、有事に備えるセーフティネットとしての側面から、国も政策として後押しを始めました。今回は実践者の声と国の最新動向を整理し、あわせて移住・二地域居住先としての上田・東信エリアの可能性をご紹介します。


■ なぜ「2拠点生活」が備えになるのか

大地震や大規模停電が起きたとき、生活の拠点が1か所しかないと、住まいの被災やライフラインの断絶によって暮らしが一度に立ち行かなくなるおそれがあります。拠点を2か所に分けておくことで、次のような回復力(レジリエンス)が期待できます。

★ 避難先の確保
一方の地域が被災しても、もう一方の拠点へ移動できます。

★ 備蓄の分散
水・食料・燃料などを2か所に分け、物資が枯渇するリスクを下げられます。

★ 生活と仕事の継続
居住や仕事の場を分散させることで、日常や事業の再開を早められます。

もっとも、2拠点生活の目的は防災だけではありません。地方でのゆとりある時間、働き方の見直し、家族との過ごし方など、暮らしを豊かにする選択肢としても広がっています。


■ 2拠点生活を実践する人たち

▶ 防災を明確な動機に 佐々木俊尚さん(ジャーナリスト)

東京・長野(軽井沢)・福井の3拠点で暮らすジャーナリストの佐々木俊尚さんは、2011年の東日本大震災をきっかけに多拠点生活を始めた実践者です。東京にしか拠点がないと首都直下型地震などの災害時に逃げ場がなくなる、という問題意識から、東京以外にも活動拠点を持つことを選びました。

2つ目の拠点に軽井沢を選んだ理由には、都心から車で2時間ほどとアクセスがよいこと、そして内陸で比較的災害に強い土地柄であることを挙げています。リスク分散を意識した拠点選びの好例といえます。


▶ 都会と島を行き来する暮らし IMALUさん(タレント)

タレントのIMALUさんは、2022年8月から東京と奄美大島の二拠点生活を送っています。旅と海が好きで、島の環境や魅力を発信したいという思いから始めた、都会と離島を往復するライフスタイルです。

島では初めて大型の台風を経験するなど、都市部の地震リスクと離島の台風リスクという、地域ごとに異なる自然災害の特性を身をもって知る機会にもなっています。異なる環境に拠点を持つことは、それぞれの土地のリスクを理解することにもつながります。


▶ 一つの場所に依存しない生き方 石山アンジュさん(社会起業家)

シェアリングエコノミー協会の代表理事で、国の二地域居住に関する専門委員会の委員も務めた石山アンジュさんは、東京と大分県を行き来する二拠点生活を実践してきました。

石山さんが発信するのは、一つの拠点やインフラ、人間関係に依存しすぎない、つながりを大切にした暮らしです。社会の変化にしなやかに対応できる生活のあり方という点で、二拠点生活のもう一つの価値を示しています。


■ 国も後押し 二地域居住促進法

個人の選択にとどまらず、国も政策として二地域居住を推進しています。

▶ 二地域居住促進法(2024年11月施行)

2024年11月1日、「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律」(通称・二地域居住促進法)が施行されました。主なねらいは、地方への新たな人の流れを生み出す地域活性化です。

あわせて、次のような仕組みが新設されました。

★ 住居専用地域でも、空き家の改修やコワーキングスペースの整備をしやすくする特例
★ 市町村が主体となって「特定居住促進計画」を策定できる制度
★ 二地域居住を支援する法人や企業を「二地域居住等支援法人」として指定できる枠組み

災害時のリスク分散や避難先の確保は、この暮らし方がもたらす効果の一つとしても期待されています。


▶ 全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム

2024年10月には、官民が連携して二地域居住を進める「全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム」が設立されました。自治体と企業がマッチングし、優良事例の共有や課題解決に取り組む枠組みで、都市部が被災した際の生活のセーフティネットとしての役割も意識されています。


▶ 国土交通省 Web広報誌「Grasp(グラスプ)」

国土交通省の公式Web広報誌「Grasp」でも二地域居住の特集やインタビューが公開されており、法改正の背景や新しい暮らし方をわかりやすく知ることができます。


■ 二地域居住先としての上田・東信エリア

長野県、とりわけ上田を含む東信エリアは、首都圏からの二地域居住先として大きな可能性を持っています。

★ アクセスの良さ
北陸新幹線で東京から上田まで約1時間半。週末だけの2拠点生活も現実的です。

★ 内陸ならではの安心感
海に面していないため津波の心配がなく、台風の直撃も沿岸部に比べれば穏やかです。ただし土砂災害や洪水などのリスクは地域ごとに異なりますので、物件選びの際は必ずご確認ください。

★ 暮らしやすさ
軽井沢のすぐ隣にありながら生活コストは抑えめ。城下町の歴史と豊かな自然が身近にあります。

佐々木さんが軽井沢を選んだ理由と同じ魅力が、上田・東信エリアにもそなわっています。


■ まとめ 暮らしのバックアップを無理のない形で

2拠点生活は、かつての一部の人の贅沢から、有事に備えた現実的な選択肢へと変わりつつあります。

住まいを2軒持つことだけが正解ではありません。賃貸、多拠点居住サービス、実家との行き来など、自分に合った形で暮らしのバックアップを用意しておくことが、これからの時代を安心して、しなやかに生き抜く鍵になります。

上田・東信エリアで二地域居住や移住、空き家の活用をお考えの方は、地域密着の当社までお気軽にご相談ください。相続や空き家に関するご相談にも対応しております。


■ 参考リンク

★ 国土交通省「二地域居住の推進」
https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chisei/kokudoseisaku_chisei_tk_000073.html

★ 全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム
https://www.mlit.go.jp/2chiiki_pf/

★ 国土交通省 Web広報誌「Grasp」二地域居住特集
https://www.magazine.mlit.go.jp/interview/vol53-c-1/

※各氏の発言および拠点の状況は、各種公開情報ならびに取材時点のものです。最新の状況は各人の公式発信をご確認ください。


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